こんにちは!大谷夢農園です。
今回は秋とうもろこしの栽培方法を解説します。
「とうもろこしは夏の野菜ではないの?」
「温室がないとできないでしょ?」
と思われるかもしれませんが、
”当農園のある愛知県田原市でスイートコーンの収穫が盛んとなる6月中旬から7月頭までの気候”と
”秋とうもろこしが収穫できる10月下旬の気候”が似ているため露地で秋とうもろこしを栽培することができます!
当農園では数年前から家庭菜園レベルで始めて、徐々に面積を増やし、昨年は20a栽培しました。栽培で気をつけるポイントなどできる限り詳しく解説するので参考にしてください!
秋とうもろこしを栽培するメリット

- 秋とうもろこしは珍しいため目立てる
- 朝晩と日中の寒暖差により甘さが増す
- 比較的短期間で収益化
近年は秋とうもろこしの栽培も広まってきていますが、それでも秋とうもろこしは珍しく、人気のある野菜でもあるため売れる見込みもあり、秋は朝晩と日中の気温差により甘さがのりやすいと言われており、食味上のメリットもあるのです!
「高原地域のとうもろこしは寒暖差で甘い」と聞いたことがあるかもしれませんが、
それを温暖地域でも秋に再現できるということです!
また、お盆明けに播種してもベビーコーンは10月初旬にとることができ、とうもろこしも10月下旬から11月頭には収穫できるため、同時期に栽培するキャベツよりも短期間で収益化できるのは魅力の一つではないでしょうか。
栽培で気をつけるべき3つのポイント
スイートコーンの栽培方法として全体の流れはほぼ同じですが、秋栽培だからこそ気をつけるべきポイントが3つあります。
- 播種方法
- 播種時期
- 防除タイミング
3つの内2つが播種関連。つまり播種さえおさえれば結構栽培の成功確率が上がります!
それぞれの詳しい内容は次からの栽培手順の中で解説していきます。
播種
まずは種まきです。

種まきはセルトレイにして、育苗してから移植する方法をおすすめします。
理由は、
- 直播きは種が腐ってしまい発芽不良を起こす可能性がある
- 草の成長に負けてしまう可能性がある
直播きで試したとき1割くらいしか発芽しなかったことがあります。まいたところの土を掘ってみると種が柔らかくふやけていました。おそらく地温が高すぎて腐ってしまったと思われます。
セルトレイに播種するようになってからは著しく発芽が悪いということはありませんでした。
また直播きで発芽しても草の成長が早い時期でもあるためゲザノン(除草剤)をつかったとしても草に負けてしまう可能性が高いです。
スイートコーンの移植栽培は苗の定植適期が短く難しいイメージがあるかと思いますが、秋作の場合気温が高い時に播種するため10日前後で苗ができ、天気予報を見計らって播種することで適期定植がしやすいという感覚があります。
移植栽培の理由は以上で、
播種方法としては200穴のセルトレイに培土を入れて穴をあけて種をまき、覆土するだけ!一般的なやり方です。
ゴールドラッシュ90、恵味スタンド88、ミエルコーン、わくわくコーン88、ミルキースイーツ88、白い恵味、ピュアホワイトSP、大和ルージュ
播種時期が暑いため、高温耐性のある晩成種を選んでください。
※2025年は夏まき味甘ちゃん(秋とうもろこし栽培をはじめるきっかけとなった品種)を栽培して甘くて美味しいとうもろこしがとれましたが、ややサイズが小さく先端露出が出やすかったため、夏作でも実績のある上記品種がいいかと思います。
周りにスイートコーンを栽培する人が少ない時期でもあるため、
白色や赤色の品種も気軽に試せます。
もちろん自分で複数色やる場合は花粉の混在がないように離れた畑で栽培してくださいね。
2つ目に重要となる播種時期は下記の通りです。
8月15日頃~8月25日頃
スイートコーンの種袋にはもう少し早く播いて8月15日頃までが抑制栽培(秋とうもろこし栽培)の播種適期と記載されていることがありますが、
近年は夏の気温が高すぎて8月頭に播いてもうまくできませんでした。
発芽して木の成長はして一見できそうな感じでしたが…
虫の量が多く消毒しても減らない
実はつくものの高温障害で形状がおかしくなってしまう
など、とても難しかったです。
8月15日以降に播種するとはじめは木の葉っぱも虫に食べられますが、
徐々に気温が落ち着いてくるため実ができ始めて肥大するころには消毒すれば抑えられるレベルになり実もきれいに肥大しました。
逆に遅すぎると冬の気候になってしまい、糖度が乗らなかったり木が霜で枯れてしまったりという恐れがあります。
ですが、最近は年末まで気温がそこまで下がらないことが多いため、意外に木が寒さでやられることなく、生育適温に対して気温は低く時間がかかりますが待てば甘いとうもろこしが収穫できるかもしれません。
後ろ限界は試してみる余地はあります!
いずれにせよその年の気温の変化するタイミングにもよるので可能性でいくと、昨今では8月15日頃~8月25日頃がベストだと思います!
ベビーコーンで一番果も全てとるのであれば、9月中旬頃まで播種できるのではないでしょうか?
育苗方法
播種して2日目から発芽し始めるため、種まきしてすぐに苗場に並べて問題ないです。
200穴は土の量が少なくて乾燥しやすいため晴れの日は朝8時頃と夕方16時頃にしっかりと水かけしてください。
発芽してそろってくる初期のころは乾燥させないように特に注意してください。
定植前の施肥
播種してから10日前後で定植適期をむかえるため、発芽がそろってきた段階で雨がないようであれば早めに準備していきましょう。
元肥は下記の通り
10aあたり有機石灰100㎏ 化成肥料14-14-14 80㎏
施肥量は地域や畑の比翼度合いによって調整してください。
施肥したらトラクターで土を耕耘
畝立て
トラクターでならした畑に管理機のタイヤ痕をつけて畝にします。
管理機の左右タイヤの中心間距離は65㎝前後
定植

本葉が2.5枚くらいがベスト
遅くても3.5枚までには植えるようにしてください。
老化苗の定植は実が大きくならなかったり、先端不稔になったり…
うまくできない可能性が高まります。
植え遅れた場合は…
| ・播種しなおす |
| ・強引に植えてみる 木が太く適した高さに育ってから雄花が出るならそのままスイートコーン収穫にむけて管理 →木が小さいうちに雄花が出てくる場合は大きなとうもろこしにならない可能性が高いため、ベビーコーンで全てとりきるのも手です。 |
植え遅れた場合の対処方法もありますが、立派なとうもろこしにするためには適期定植を心がけてください!
実際の定植方法としては、
一畝おきに2条ちどり植え
株間30㎝条間30㎝

定植に便利なのが”ハンドプランターなかよし君”

セルトレイから苗をはずして苗かごに入れてなかよし君で定植していきます。
セルトレイから抜きやすいがっちりとした苗ができれば、1人でも半日あれば10a植付ができます。
雨予報などで早めに若苗で植えるときは手で苗を抜くと切れてしまうため、フォークなどで苗を抜く必要があります。
苗を抜く担当の人がいれば効率よく定植できます。
定植して潅水した後ある程度土が乾いたらゲザノンゴールドを散布
水10Lに対してゲザノン20mL 50メートル畝の場合 定植した畝のみ散布で3列分が散布量の目安
定植した苗の上から散布しても薬害を感じたことはありません。
ゲザノンを散布せず草が生えてしまうと成長が早く、草にのまれてしまうことがあるため使用をおすすめします。
適宜消毒

とにかく早めの散布を心がけましょう。
雄花が出る前から葉を食害されることが多いため食害を見かけ次第一回散布します。
→ベビーコーンをとる場合はアニキ乳剤がおすすめ(使用回数制限が3回と多いため)
雄花が少しでも出てきたら液量を規定内で多めに散布します。
希釈倍率は限界ぎりぎり10aあたり200リットルが目安
実からひげが出てきた時も要注意。
ひげに虫が入ったら農薬が届きにくくなるためしっかり散布してください。
気温が落ち着いてくると虫が減るため
ひげが受粉して茶色く縮みはじめるまでは虫を侵入させないように頑張りましょう!
1週間以上散布期間をあけないように天気を見計らって散布してください。
ベビーコーンをとる場合は農薬の種類が限られるため計画的にローテーション
フェニックス顆粒水和剤、グレーシア乳剤、アニキ乳剤を中心にほぼ使用回数限度まで使用します。足りない場合はアファーム乳剤も使います。
ひげが出てくる直前から肥大期にはモスピラン顆粒水溶剤も混ぜてアブラムシやカメムシ対策をしてください。
適宜潅水
定植してからどのタイミングでも土を乾燥させないように!!!
よく「実の肥大期に水が必要」と言われますが
夏作・秋作ともに栽培してきた中で
”成長過程では常に水が必要”と体感してきました。
乾燥により葉がかぴかぴして折れているような状態が何日も続くと実に異常が出る可能性があるため様子をこまめにみて乾燥しすぎには注意しましょう。
もちろん水がついてしまうような雨が続いたり、水を毎日かけすぎるのも異常の原因となってしまうため水が多ければいいというわけではありません。
雨が少なくて土が乾燥しているようであれば、どの成長過程においても適度に水かけをしてください。
追肥1回目・土寄せ

追肥や土寄せなどの管理方法は夏作と同じです。
背丈が30㎝前後になったら通路に施肥して土寄せします。
10aあたり化成肥料14-14-14 80㎏
施肥した後に土が固くなっている場合は管理機のロータリーで耕してから跳ね上げ機で土寄せすると綺麗にできます。

追肥2回目
一番果からヒゲが出てきて肥大し始める頃に通路に施肥します。
10aあたり化成肥料14-14-14 80㎏
草が生えている場合は施肥した後に管理機のロータリーで耕すと効率的に肥を効かすことができます。
秋とうもろこしの栽培にぜひ挑戦してください!

かなり長い記事になってしまいましたが、できる限り詳しく書きました。
秋とうもろこし栽培にはじめて挑戦する人は不安もあるかと思いますが、この記事を参考にしていただければ成功確率は上がります。
1年目は狭い面積から試しにやってみるのも手ですね。
秋とうもろこしの栽培に成功したら達成感があり、味に感動すること間違いなし!
ぜひ挑戦してみてください!
